より良い治療や診断を確立するために、既に国内で承認され診療で使用されている医薬品や治療・診断方法を比較したり多数の症例を集めて統計をとる等の方法により行う研究を「臨床研究」といいます。
また、他の医療機関や研究機関と共同して多くの医学的データを集める研究も「臨床研究」にあたります。得られた成果は学会の学術誌に論文として報告され、今後のより良い診療に役立てられます。特に、京都大学医学部附属病院・京都大学大学院医学研究科と協力して臨床研究を行うことがあります。
当院では臨床研究を行うにあたり、世界医師会によるヘルシンキ宣言(1964年 6月採択)に示された倫理規範を遵守するとともに、文部科学省・厚生労働省が策定した「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成26年12月制定)を遵守し、必要に応じて倫理委員会で審査・承認しています。
当院では、参加される患者さんの人権と安全性の保護を最大限に配慮しながら臨床研究を行っています。
医師から臨床研究への参加について説明があった場合には,その内容について十分な説明を受けてから、参加するか否かを患者さん自身の自由な意思をもって判断してください。説明を受けてから参加されない場合でも,治療に不利益となることは一切ありません。
通常、臨床研究は文書もしくは口頭で説明を行い、患者さんからの同意(インフォームド・コンセント)を得て行われます。これを「オプトイン」といいます。同意には文書による同意、口頭による同意があり、さらにこれらの同意とは異なりますが、承諾する旨の患者さんの意思表示を認識するための、適切な同意という方法があります。臨床研究のうち観察研究においては、たとえば患者さんへの侵襲や介入がなく、人体から取得された試料を用いず、診療情報などの情報のみを用いて行う研究については、国が定めた倫理指針に基づき必ずしも対象となる患者さんのおひとりずつから直接同意を得るとはかぎりません。ただ、この場合にも、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を通知又は公開し、さらに可能な限り拒否の機会を保障することが必要とされています。このような手法を「オプトアウト」といいます。
研究のために自分のデータが使用されることを望まれない方は、各研究の担当者までお知らせください。
当院では,診療で得られたデータ等を,その後に開始される研究に試料として使用させていただく場合があります。
患者さん本人又は代諾者の方は,試料の研究における使用を拒否することができます。その場合は,当該研究における責任者に連絡いただきますようお願いいたします。
現在、当院では様々な臨床研究を行っています。検査や治療の成果を科学的に分析し、根拠の確かな医療を提供していくことを目標としています。