日本乳癌学会により提示された科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドラインに則った治療を行っています。
更に2年に一度、国際乳癌学会でのコンセンサス会議の結果も踏まえて、最新の治療方針を決定しています。
人間ドック、乳癌検診の二次検診、精密検査をほぼ毎日行っています。より正確な診断を目的として、デジタル乳房撮影装置(マンモグラフィ)を導入、加えて乳腺超音波検査や乳腺MRI検査を併用することで、画像診断および確定診断のための針生検検査へと迅速な対応を行っています。
また、造影CTを用いたセンチネルリンパ節診断を取り入れて、腋窩リンパ節転移の有無を調べ、治療法の選択を行います。
すでに何かしら症状のある方は保険診療になり、費用は3,000円~5,000円程度となります。
全くの無症状(心配なので検診希望される方や「偶数歳」以外での検診希望)の方は「自己負担」となります。その際、「マンモグラフィーのみ:約10,000円」「エコー検査のみ:約7,000円」「マンモ+エコー:約15,000円」となりますので、ご理解ください。(※市民検診をお考えの方はコチラをご参考ください → 京都市ホームページへ移動)
早期乳癌については、乳癌診療ガイドラインをもとに、十分なコンセンサスを得て治療を開始いたします。具体的には、乳房温存手術を標準手術とし、DCIS(非浸潤癌)確定例には腋窩リンパ節郭清を原則として省略しています。
浸潤癌における腋窩リンパ節郭清については、術中センチネルリンパ節生検の結果に基づいて、郭清の可否を判断することもあります。
手術後治療は、ホルモン依存性に応じた内分泌療法(ホルモン療法)と残存乳腺に対する術後放射線照射(京都大学放射線治療科との連携)を受けていただきます。また、Ki-67等に代表される癌の増殖能や腋窩リンパ節転移の状態に応じて、術後の補助化学療法も積極的に行っております。
乳房内にできた癌細胞が乳房内のリンパ管に進入すると、腋のリンパ節(腋窩リンパ節)へ転移し、その後、鎖骨下リンパ節などの遠隔リンパ節へと転移していきます。
癌細胞が近くのリンパ管へ進入したあと、最初に流れ着いた乳房周囲のリンパ節を「センチネルリンパ節(見張りリンパ節)」と呼びます。このリンパ節に癌細胞の転移がなければ、その先のリンパ節には転移がないと判断して、通常の腋窩リンパ節の切除(腋窩リンパ節郭清)はしないというのが”センチネルリンパ節生検法による腋窩リンパ節郭清省略”の理論です。
当科では、このリンパ節の存在を造影剤を使用した胸部CT検査により診断することとしています。存在部位が確定した場合には、手術時に色素を使用したセンチネルリンパ節生検を行います。
しかしながら、数%にセンチネルリンパ節が認められないことがあり、この場合は標準的な腋窩リンパ節郭清をお勧めしております。