患者さんやご家族、お友達に、楽しく穏やかなひとときを過ごしていただきたい。
そんな願いを込め、ホスピス・緩和ケア病棟では四季折々の行事や日々の催しを大切にしています。
ラウンジでの「小さな音楽会」(毎週火曜日午後)や、お部屋に伺う「訪問演奏」(毎週金曜日午後)では患者さんのリクエストにもお応えしています。
アロマセラピー、アートセラピー、お抹茶会なども随時開催しています。
12月24日。
この日、日本バプテスト病院はクリスマスの雰囲気に包まれます。
午後、ホスピスのスタッフは大忙し。
まず、デイルームをコンサート用にセッティング。ナースはサンタ帽をかぶり、ドクターはトナカイやサンタさんに変身。それから、患者さんにお渡しするお菓子やお写真、それにスタッフの心のこもったお手紙を、ボランティアさんと一緒にセットしました。
そこへ患者さんが次々と集まって来られます。
音楽療法士の高瀬さんが、フルートの演奏でお出迎え。
「サンタ帽、いかがですか」と患者さんやご家族にお渡しすると、なぜでしょう、みなさんためらわずにかぶってくださいます。
スタッフによるトーンチャイムの演奏が無事終わり、みんなで「きよしこのよる」を歌います。
それから、ボランティアのハートさんのはずむお話と楽しい歌に、ピアノの演奏が加わって・・・。
テンポのよい曲では、手拍子もにぎやかに、会場はノリノリの一体感。
ベッドで来られた患者さん。奥様がその手をにぎって一緒に拍手されると、つむっていた患者さんの目が開き、うっすらと笑顔が。
美しい曲に目を輝かせ、やがて涙する方もおられました。
コンサートが終わると、ご家族やみんなでワイワイと記念撮影。
晴れやかなお顔の患者さんに、スタッフの心がほころびます。
聖書の福音とは、「よき知らせ」のこと。
この日、ホスピスにあふれた喜びは、私たちにとって、このうえないグッド・ニュースでした。
例年より暖かい秋。
紅葉はまだ盛りではないけれど、11月22日、紅葉狩りコンサートが行われました。
音楽療法士の高瀬さんが、フルートの演奏でみなさんを迎えます。
たくさんの患者さんと付き添われるご家族で、デイルームがいっぱいになりました。
ギターに持ち替え、高瀬さんが最初に歌ったのは100年の時を超えて歌い継がれている「紅葉」。
看護師さんからのリクエストは、「てんとう虫のサンバ」(1973年の歌)。
最後は、五輪真弓さんの「恋人よ」(1980年)。
さて、「なぜ恋愛の歌?」の答えは、この日が1122、いい夫婦の日だったから。
これらの歌が生まれた頃、おそらく患者さんの多くが、恋愛、結婚を経て、仕事と子育ての時代を、伴侶とともに懸命に生きておられたのではないでしょうか。
その後、高瀬さんが患者さんのお部屋を巡り、「紅葉」を歌います。
目をつぶりながら、歌に合わせて踊るように何度も両手を掲げる方がいらっしゃいました。
あるお部屋では、リクエストがありました。森進一さんの「おふくろさん」。
高瀬さんと一緒に口ずさむ患者さんの脳裏に浮かんだのは、ご自身のお母さんでしょうか、それとも、母として生きたご自分の姿でしょうか。
どちらであっても、愛され、愛した記憶は、今も強く残っておられるのでしょう。
歌い終わられた患者さんは、何かをやり遂げたような、すっきりとしたお顔をされていました。
10月29日に、ハロウィンのイベントを行いました。
仮装したスタッフがお部屋を訪ねると、普段とは異なる姿に目を丸くして驚かれる方もいらっしゃいましたが、ほとんどの患者さんが「面白い、可愛い」と喜んでくださいました。
ロビーでは音楽療法士による演奏会を行いました。
手拍子したり、歌われる患者さんもおられ、ご家族も一緒に楽しんでいただけた演奏会になりました。
最後はスタッフと患者さん、ご家族と記念撮影を行い、お菓子とボランティアさん力作の写真台紙や絵葉書をお渡ししました。
とても賑やかで、思い出に残るイベントになりました。
ホスピス病棟では、今年の中秋の名月にあたる9月17日にお月見イベントを開催しました。
国立天文台の情報によると、ここ数年中秋の名月と満月は同じ日だったようですが、今年は翌18日が満月でした。そして次に中秋の名月と満月が同じ日付になるのは2030年だそうです。
17日の夜には、患者さんのお部屋の位置によっては、病室から中秋の名月が見えた方もいらっしゃったようです。残念ながらイベントは昼間に行いましたので、スタッフが名月と月の兎を模してお部屋にうかがい十五夜のひとときを感じていただきました。
秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出ずる月の 影のさやけさ
左京大夫顕輔
<歌の意味>
秋風に吹かれて横に長くひき流れる雲の切れ目からもれてくる月の光の、澄みきった美しさといったらどうだろう!
平安時代から1000年以上が経った2024年にも平安貴族が眺めた同じ月を見ていると思うと、悠久の時を感じずにはいられません。
ホスピス病棟では8月16日、五山の送り火のイベントを行いました。
ホスピスのラウンジからの景色は私たちの自慢であり、五山の送り火の大文字もとてもよく見えます。今年は当日の天候が心配されていましたが、無事に点火され鑑賞することができました。
点火時間に合わせて患者さんとご家族をラウンジへご案内し、記念撮影を行いました。また病室から鑑賞されたり、テレビ中継で楽しまれる患者さんもおられ、それぞれの場所で京都の夏を感じておられたと思います。「大文字がきれいに見えた」「一緒に過ごせて良かった」と患者さん、ご家族から嬉しい言葉を頂きました。いつもは見られない患者さんの笑顔を見ることができ私たちも嬉しい気持ちになりました。
そして今年もボランティアさんが“あんどん“と写真フレームを手作りしてくださり、点火が終わった後も病室に飾られて頂いています。
今後も毎月のイベントをこれからも心を込めて準備していきたいと思います。
7月9日、ホスピス病棟では七夕のイベントを行いました。
「笹の葉さらさら~」と音楽を流しながら、笹竹を持って患者さん、ご家族のお部屋にお伺いし一緒に写真撮影を行いました。
また「みんなが健康でいられますように」「楽しくみんなが暮らせますように」などお一人お一人の願い事を短冊に書かせていただき、笹竹に願いを込めて飾らせていただきました。
ところで皆さん、短冊を笹竹に飾る由来はご存じでしょうか。
短冊に願い事を書いて笹竹に吊るすようになったのは江戸時代のようです。寺小屋が増え、習いごとをする子どもが増えたことも影響しているようです。
もともとは字が上手になることを祈ったのですが、いつの間にかいろいろな願い事を書くようになったそうです。
今年の七夕は晴天にも恵まれ、年に一度の「彦星」と「織姫」の再開を目撃されたかたも多かったのではないでしょうか。
患者さん、ご家族の皆さんの願いが天に届きますように・・・。
6月となり梅雨の時期となりましたが、今年は雨ではなく暑い日々が続いていますね。
さて6月といえば・・・父の日ですね。病棟でも父の日のイベントを行いました。
患者さんに家族やスタッフからのメッセージカードを添えて向日葵のお花をプレゼント。
メッセージカードとお花のプレゼントに喜ばれた患者さんの表情をみると向日葵の花のような笑顔が咲いていました。
向日葵の花に笑顔があふれる毎日を過ごせることを祈って・・・
初夏の風が心地よく若葉に風香る今日このごろ皆様どうお過ごしでしょうか。
5月は、緑が美しく、気候としても過ごしやすい一番清々しい季節ですね。
さて、5月と言えば「母の日」です。母の日に贈られるカーネーションの花言葉は「女性の愛」や「感動」「純粋な愛情」などです。母の日に伝えたい想いが込められた花言葉になっています。ホスピスでは5月11日に母の日にちなみイベントが行われました。
ピンク色のカーネーションと一緒に、ご家族やスタッフからのメッセージカードとボランティアさんが作って下さった花柄の可愛らしいメモ帳を添えてプレゼントさせて頂きました。
心ではいつも感謝しているつもりでいてもメッセージとして書いてみると、なんて書こうかな…と言った恥ずかしそうなご家族の声が聞かれました。しかし、母の日だからこそ普段なかなか言えない感謝の気持ちを伝えようとメッセージカードに想いを寄せて書かれていました。当日、メッセージカードを受け取り、笑みを浮かべはにかむ様子や、「こちらこそありがとう」と感謝される患者さんの様子にとても心温まるひと時となりました。イベントが終了してからもカーネーションを眺めては目を楽しませてくれ癒される日々です。来月からは梅雨の季節となりますね。どうか体調を崩さずお健やかに過ごされますように…
イースターはキリスト教において、とても大切な春の行事です。
毎年春分の日の後の最初の満月の次の日曜日とされていて、今年は3月31日(日)でしたが、ホスピスでは4月12日にイースターイベントを行いました。
イースターといえば卵とウサギですが、卵は生命のシンボル、ウサギは多産のシンボルとして神話にも登場します。
イベントではイースターバニーに扮したスタッフがお部屋に伺い、患者さん、ご家族も一緒にイースターバニーに変装して写真撮影をしました。
「かわいいなー」「似合ってるで」「ちょっとはずかしいな。。」と言いながらも、皆さんしっかりイースターバニーになりきり、とてもいい笑顔がみられました。
毎年イースターには、以前入院されていた患者さんのスイス在住のご家族が、イースターチョコレートを送ってくださるので、患者さん、ご家族へプレゼントさせていただいています。
皆さん「美味しいチョコレートやな」「可愛いチョコレート!」「ラッキー!」と大喜びでした。
チョコレートを入れるイースターバニーや写真フレームはすべてボランティアさんの手作りです。毎月患者さん、ご家族に「可愛い」「素敵」と好評で、皆さん大切にお部屋に飾っていて、イベントを思い出しては楽しくお話をしています。
ホスピス病棟では3月4日にひな祭りのイベントをボランティアさんに作成していただいた、ひな人形をお渡し行いました。
後日当日の笑顔いっぱいの患者さんやご家族との写真を手作り写真色紙に飾り患者さんにお渡しさせていただきました。
かわいい色紙、当日の写真をみてどの患者さんやご家族も喜んでおられました。
暖冬とはいえ寒さが厳しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
さて2月といえば・・・・鬼は外、福は内でお馴染み節分ですね。病棟でも節分のイベントを行いました。
先生達が赤鬼、青鬼に扮して、看護師は鬼の面で仮装し患者さんのもとへ。
鬼を退治するのは患者さんです。「先生!?」とびっくりする方も多く、鬼とはいえ先生に豆を投げるのはと遠慮される方もいれば、勢いよく豆を投げる方もいました。豆まきを楽しんだ後はスタッフと写真撮影。
鬼は外、福は内の掛け声にのせて皆様のもとにたくさんの福が訪れますように・・・
新年あけましておめでとうございます!
今年は元旦から地震があり、今なお心を痛めておられる方もいらっしゃることと思います。一日も早い復興を願うばかりです。
さて、お正月といえば、皆さん何を思い浮かべますか?
ホスピス病棟では、お正月に飲む特別なお酒「お屠蘇」を患者さん達にプレゼントしました。
お酒が好きな方には日本酒を、そうでない方にはお酒の代わりにノンアルコールのシャンパンやぶどうジュース、お抹茶を楽しんでいただきました。
久々のお酒に「美味しい」と笑顔の患者さん。
ボランティアさんが点ててくださったお抹茶も大好評でした。
イベント時に撮影した写真は、絵馬風のフレームに貼って患者さん達にお渡ししました。
今年も患者さん・ご家族の皆様が日々を穏やかに過ごせるよう、お手伝いさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。