看護管理部は、2003年1月、医療団各事業体の人事を含む看護業務の全体的管理運営、看護教育を統括し継続教育の充実を図ることを目的として設置されました。
医療団の理念(病院の理念)に沿い、各事業体の看護・介護職がそれぞれの専門職能を発揮して、Evidenceに基づいたTender loving careが実践できるように支援します。
当医療団は、左京区を中心に急性期医療を担う病院、住み慣れた地域での生活をトータル的に支えることを目指す老人保健施設、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所を有しており、今後もさらに地域における役割期待も大きくなっていくと考えます。看護職は、事業体間の連携を図り、高齢化の進展に伴い複雑な状況の患者に対する医療と生活の両方の視点を持ち、短期間での集中的な入院医療と、患者および利用者がその人らしく住み慣れた地域で暮らし続けることを支える役割を担っています。
これらの役割遂行のため看護管理部では、独自に作成した段階別実践能力表に沿った教育を行ってきましたが、2016年日本看護協会の「看護師のクリニカルラダー」を活用し、医療団の理念である全人医療の実践ができ、推進者となるために、段階的に到達すべき行動指標を示したものとして「日本バプテスト病院看護職のキャリア開発ラダー」を作成し、運用しています。そして、訪問看護ステーションしおんは2018年「訪問看護ステーションにおける実践例」を基に、続いて老人保健施設は2020年日本看護協会の「高齢者施設における看護師のクリニカルラダー」を基に、それぞれラダーを作成し、人材育成に取り組んでいます。さらに、2020年度に日本看護協会の「病院看護管理者のマネジメントラダー」を参考に、看護管理に関する体系的な知識と技術を示す指標となる「日本バプテスト病院マネジメントラダー」を作成し、運用を始めています。今後これらラダーの活用をより推進し、共に成長し合える職場風土を作り、全人医療を実現する組織として発展して参ります。
また、この3年に及んだコロナ禍は、人々の人生観、仕事観など考え方に大きな変化をもたらしました。ニューノーマルと言われる時代に適応していくために、組織の管理者には更なる柔軟な発想と対応力が求められています。今後、新興感染症や近い将来起こりうる南海トラフ地震など災害対策にも力を注ぐ必要があります。災害時、即座にBCPを稼働させ、いち早く医療団としての役割を発揮できるよう取り組みを強化することも目標に据えています。
医療団で働く職員の一人ひとりは、医療団にとってかけがえのない財産です。看護管理者には、それぞれが持つ力を高め、その力を発揮することのできる環境をつくることが求められます。組織は一人では成し得ないことをやり遂げるために、同じ志を持った人が集まり、協働して目標を達成しようとするものです。医療団の理念である全人医療の実践を目指し、看護管理部の中期的将来構想を策定し、以下のように図式化しました。